
代表取締役社長・CEO
CSR委員会委員長
第二の創業への想い
わたしたち富士フイルムグループは、現在、写真のデジタル化という予想を超える大変化の中で、「第二の創業」に向けて、グループ一丸となって企業体質の強化と新たな事業構造の構築に向けて取り組んでいます。わたしたちは、お客様や写真を愛するたくさんの方々をはじめ、株主・投資家、従業員、地域社会、取引先など多くのステークホルダーによって支えられています。わたしたちは、事業環境や社会の変化に適切に対応し、ステークホルダーの皆様の期待や要請に応え、社会に貢献していかなければなりません。第二の創業に向けて、全力で取り組むことの意味がここにあります。
構造改革と連結経営の強化
こうした観点から、わたしたちは、創立75周年にあたる2009年度に向けた中期経営計画「VISION75」を2004年に策定し、徹底した構造改革と既存成長分野、新規事業分野への経営資源の集中に着手しました。構造改革は、単に人や組織を削減することではありません。大事な経営資源をいかに有効かつ効率的に再配分するか、真剣に取り組みました。しかし、それまで中心であった事業を縮小する、組織のスリム化を図ることは、決して容易な決断ではありませんでした。しかし、勇気を持って第二の創業を成し遂げること、それこそが一緒に働いた仲間へのメッセージだと信じています。また、このような改革なくして、企業としての社会的存在価値を示すこともできません。2006年度を振り返れば、「VISION75(2006)」の計画は、順調に進展し、計画を上回る成果を上げることができました。従業員、取引先、お客様など多くの人たちのご協力があってこその成果です。こうした皆様のご協力をもって、将来に亘って安定した収益を確保できる事業構造に転換できたと考えております。
さて、2006年10月1日、富士フイルムグループは、持株会社制に移行しましたが、これは、富士フイルムと富士ゼロックスを中心とした各々のグループ会社を統括する富士フイルムホールディングスの下、「第二の創業」を確実なものとし、新たな事業構造の強化発展を図るため、公正で効果的な連結経営の強化を図るためのものです。さらに、2007年2月には、富士フイルムホールディングス、富士フイルム、富士ゼロックスの各本社機能が東京、六本木の「東京ミッドタウン」に集結しました。これにより、今後さらに相互の連携によるシナジーの創出を図るとともに、今年度再設定した中期経営計画「VISION75(2007)」の重点課題である「成長戦略のさらなる推進」「強靭な企業体質の実現」を成し遂げるため、重点事業分野への投資の強化や、仕事の仕方や取り組み方をさらに合理的で強いものに変える「スリム&ストロング活動」などを迅速果敢に推進していきます。
わたしは、一人ひとりが「強い個」であり、その個が集まるチーム、グループ、部門、事業組織、そして会社が「強い組織」であってこそ、強靭な企業体質が作られるものと思いますし、企業文化の変革にもつながると考えています。「第二の創業」を確固としたものにし、より発展させるためにも、個と組織の調和のある経営を大事にしていこうと考えています。
企業価値とは何か
わたしたちの経営の目的は、企業価値を高めることにあります。それは、単に収益を上げることだけではなく、社会・文化の発展に寄与すること、地球温暖化などの環境問題のような社会的な重要課題に対しての貢献など、社会からの要請や期待に応じていける「総合力」を持つことだと、わたしは思います。単なる能力や資産を超えた「総合力」が必要です。社会の期待を超える技術、品質、サービスなどは、この企業としての「総合力」が生みだすと考えています。社会からの揺るぎない信頼を得られてこそ、企業価値は高まります。このような考え方に基づいて、2006年4月に、富士フイルムグループの新たな企業理念・ビジョンを制定し、2007年4月には、企業行動憲章と行動規範を全面改訂しました。社会から認められる企業とは何か、どこに向かうべきか、どのように行動すべきか、「第二の創業」の実践として改めてわたしたちの姿勢を示したのです。
富士フイルムグループにとってのCSRとは何か
このように、富士フイルムグループでは、事業の状況を真正面から見据え、自らの存在意義を問いながら、中長期の経営計画にCSRを織り込んできました。そこには常に経済、社会、環境への配慮があります。組織として、個人として誠実・公正に与えられた役割を遂行し、社会に貢献する気構えを実践すること、独善にならないように自らを省みること、これらが、富士フイルムグループのCSRの考え方です。そして、経営の中に、事業の遂行の中に、わたしたちのCSRは実践され、従業員一人ひとりの活動の中でCSRを実践しています。
今般、わたしたちのCSR活動に関する報告書を発行するにあたり、その名称を、「社会・環境レポート」から「サステナビリティレポート」に変更いたしました。ここに述べてきました「第二の創業」への想いは、まさに企業の持続可能性と社会の持続可能性にその本質があります。ステークホルダーの皆様には、レポートの名称変更はわたしたちの想いを表したものと受け止めていただければと思います。これからも、わたしたちは、ステークホルダーの皆様と率直な対話を行い、持続可能な社会の発展のため、わたしたちのCSR活動の継続的な改善につなげていきます。