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中国でのCSR活動:現地調査リポート

 

中国サイトのCSR活動報告(サマリー)

2006年3月、富士フイルムは「CSRチェックシート」によりグループ各社(国内外37社)のCSR活動状況*の分析を行い、地域性や業務形態に応じて取り組むべきCSR課題を整理しました。2006年10月には持株会社制へ移行しましたが、すでに2年を経過し、構造改革の推進などにより富士フイルムグループの事業構造は大きく変化しています。特に、中国のグループ各社では、中国の経済発展に伴い、組織や人員の規模が急激に拡大しました。このため、2008年5月に富士フイルムホールディングスとして中国で事業展開する主要なグループ会社に対して、CSR推進状況の調査を行いました。本レポートでは、各社の概要と経営者のメッセージに加え、CSRの取り組み状況をご報告します。

  • * ガバナンス・コンプライアンス、人事・雇用・次世代の育成、労働安全衛生・防災、リスク管理、資材調達、顧客対応、環境保全活動、社会貢献活動の8分野

CSR活動状況の分析

[図]CSR活動状況の分析

STEP 1 事前情報把握

「CSRセルフチェック」シートを配布し、その回答結果からCSR活動の概要を事前に把握しました。「CSRセルフチェック」の内容は、「サプライヤーセルフアセスメント(EICC)」や「サプライチェーンCSR推進ガイドブック(JEITA)」などを参考にし、『環境管理』、『労働安全衛生』、『雇用・人権』、『調達』、『人材の育成』、『社会貢献活動』の6分野から構成されています

[図]「CSRセルフチェック」シート

「CSRセルフチェック」シート

STEP 2 現地調査の実施

「CSRセルフチェック」の回答結果を踏まえ、トップインタビュー、現場担当者へのヒアリング、資料の閲覧やサイト内(環境関連施設、燃料/化学物質管理保管施設、場内作業場および厚生施設設備)を見学しました。

STEP 3 CSR推進策の検討

2008年度下期に、Step1とStep2を踏まえて、CSR推進施策を検討していきます。

現地調査を終えて

富士フイルムホールディングス 総務部 CSRグループ
担当課長 菱田豊彦
担当課長 五所亜紀子

環境管理、労働安全衛生管理については、各社とも日本の工場と同程度の管理レベルで実施しており、緊急を要する是正事項はありません。2008年1月に中国で施行された「労働契約法」に対して、各社は、労働時間の管理などを徹底すべく、就業規則の改訂作業や管理者教育を進めています。社会貢献活動や調達先管理については、各社の取り組みレベルが異なっている一方で、共通の課題は、「人材の育成」と「離職率の低減」です。教育研修の充実やボランティア活動を活用して従業員の帰属意識を向上させ、離職率の低減に効果を出している例もあり、富士フイルムホールディングスとしても優れた事例の展開を促していきます。また、中国で事業展開する各社が、グループ内や社外とのコミュニケーションを活発にしてCSR活動を推進してもらえるよう、現場の状況を直接把握しながら、支援していきたいと思います。

[写真]2008年5月に実施した現地調査の様子

2008年5月に実施した
現地調査の様子

[写真]2008年5月に実施した現地調査の様子

2008年5月に実施した
現地調査の様子

[写真]2008年5月に実施した現地調査の様子

2008年5月に実施した
現地調査の様子


富士膠片(中国)投資有限公司/ FUJIFILM(China)Investment Co., Ltd.

[写真]富士膠片(中国)投資有限公司 総経理 横田孝二

富士膠片(中国)投資有限公司
総経理
横田孝二

[写真]CSRを推進する副総経理 徐瑞馥

CSRを推進する副総経理
徐瑞馥

中国においてもCSRを重視する傾向が顕著になってきています。環境問題に対する国民の関心は高く、政府の取り組みおよび法規制も広範囲になってきています。社会貢献については、もともと中国国民の意識は高く、個人での貢献はもちろんのこと、企業としての社会貢献を厳しい目でチェックしていると言っても過言ではありません。当社は健全かつ透明性の高い企業活動を展開することを基本としています。企業活動を通しての社会貢献にとどまらず、恵まれない人たちへの教育支援、緑化運動への積極参加などを継続して行っています。また、社員個々人の社会貢献も奨励しています。このように当社はCSRを基本とする企業活動を中国において展開し、発展させていきます。


会社データ

[写真]富士膠片(中国)投資有限公司/ FUJIFILM(China)Investment Co., Ltd.

創立 2001年4月
資本金 2.134億USドル
住所 上海本社:浦東新区浦建路76号
他拠点:北京、広州、成都
傘下企業 7社
概要 富士フイルムの中国におけるビジネスの統括、投資および販売など。上海市政府に認定された多国籍会社中国地域本部


現地調査担当者のコメント

同社はステークホルダーへの情報開示やコミュニケーションを重視し、積極的に行うとともに、傘下7社へのCSR啓発や社会貢献イベント(モンゴル緑化、ピンクリボン活動、他)を展開し、中国での富士フイルムグループのCSR活動を推進している。今年は「労働契約法」や「独占禁止法」などの順守を確実にするための教育も行っていく予定である。

蘇州富士膠片映像機器有限公司/FUJIFILM Imaging Systems(Suzhou)Co., Ltd.

[写真]蘇州富士膠片映像機器有限公司 総経理 田中弘志

蘇州富士膠片映像機器有限公司
総経理
田中弘志

日本流(富士フイルム流)のやり方と多様な中国流のやり方と紆余曲折しながら格闘しています。お互いの価値を認めながらも社会に貢献するという基本的な考えを大事にしたいと考えています。中国政府は世界のスタンダートをどんどん取り入れようとし、各所で変化が起きています。例えば、労働法が大幅に改訂され当社も契約・規則を全面的に改修しました。その際、よりどころのひとつとして、社会貢献というCSRの基本を順守する姿勢が大事と実感しています。


会社データ

[写真]蘇州富士膠片映像機器有限公司/FUJIFILM Imaging Systems(Suzhou)Co., Ltd.

創立 1995年10月
資本金 8,950万ドル
住所 蘇州市新区長江路
概要 光学機器・・デジタル機器などの製造および販売


現地調査担当者のコメント

[写真]

一昨年着任した総経理・田中の「技術のある会社にしたい」との強い思いが、同社の組み立て工程を大幅に変化させた。総経理をはじめ、工程に関わる作業者たちが議論を重ねながら、工程の分析をして、工数の大幅削減と作業効率の向上を実現させている。

また、各工数を「見える化」して、現場の誰でも工数実績が分かるようにした。この結果、個々の作業改善が全体にどのような効果を及ぼすかが把握でき、作業者の意識が変化した。CSR経営の重点課題としてとらえているコンプライアンス、リスクマネジメント徹底のためのPDCA管理を強化させながら、このサイトを担う中国人技術者・管理者の育成に力を入れている。

富士膠片印版(蘇州)有限公司/FUJIFILM Printing Plate(Suzhou)Co., Ltd.

[写真]富士膠片印版(蘇州)有限公司 前総経理 大井央雄

富士膠片印版(蘇州)有限公司
前総経理
大井央雄

当社は2007年3月に中国蘇州で印刷材料の生産を開始した新工場です。行動指針を「元気」「正確」「改善」「成長」とし、「従業員と会社がともに成長していく」ことを目指しています。また、薬品・溶剤・重量物を扱うため、従業員の生命・体の安全・衛生の確保に万全を期すとともに、地域の環境維持・向上のため環境対策に万全を期しています。こうしたCSR活動を基盤として、ここ蘇州に「ユーザーオリエンテッドでベストパフォーマンスの工場」を実現すべく、日々注力しています。


会社データ

[写真]富士膠片印版(蘇州)有限公司/FUJIFILM Printing Plate(Suzhou)Co., Ltd.

創立 2005年1月(2007年3月生産開始)
資本金 3,900万USドル
住所 蘇州市蘇州工業園区龍潭路
概要 オフセット印刷用PS版・CTP版の製造および販売


現地調査担当者のコメント

[写真]

オフセットPS版の生産ラインには塩酸が使われるため、腐食対策や排水・排気処理が稼働率や環境に大きな影響を及ぼす。このため環境安全部と設備部は共同して関連設備の点検、整備、補修、改善に努めている。稼働停止に至る設備故障の発生防止に向けて取り組み、環境事故ゼロを実現している。

生産開始から1年が経ち、従業員の定着率改善などの課題も出てくるなかで、環境、品質、労働安全衛生管理の国際規格を認証取得すべく取り組んでいる。サプライヤーについてはコスト、品質、納期、サービスを中心としたサプライヤー評価を実施し、今後CSR調達として幅を広げていく予定だ。

富士能(天津)光学有限公司/FUJINON TIANJIN OPTICAL CO., LTD.

[写真]富士能(天津)光学有限公司 総経理 西巻清志

富士能(天津)光学有限公司
総経理
西巻清志

わが社も設立時に比較すると、フジノン本社の主力工場としての位置づけは、非常に高くなっており、競業他社に勝る“Q・C・D”の確保を最重要課題として取り組んでいます。今後、会社で働く人の労務環境をさらに改善すること、会社と社員が“地元に貢献できる活動”に積極的に取り組んでいくなどの活動を通して、わが社を地元に認識していただく努力をしていきたいと考えています。


会社データ

[写真]富士能(天津)光学有限公司/FUJINON TIANJIN OPTICAL CO., LTD.

創立 1994年11月
資本金 1,725万USドル
住所 洞庭路工場:天津市河西区洞庭路24
西青工場:天津市経済開発区宏源路2
概要 カメラ付き携帯電話用やデジタルカメラ用、液晶プロジェクター用レンズユニットの加工・組み立て


現地調査担当者のコメント

[写真]

[写真]

技術発表会の様子

1995年の創業開始時は28名だった従業員も今では7,000名を超え、2つの工場でフル稼働するまでに成長した。納入先からの厳しいコストや納期要求を満たしていくためには、保有する人材の育成が最大課題と総経理は語った。現地スタッフに対して個別業務管理の徹底を図る一方で、技術発表会などを通して技能の向上に努めてきた。その結果、駐在する日本人は3名と、権限委譲が進み、また、離職率が天津市の平均以下などの成果につながっている。2008年度は福利厚生面をさらに向上すべく、社員旅行やレクリエーション大会の実施や宿舎・食堂の改善などを図っている。

富士施楽高科技(深セン)有限公司/Fuji Xerox of Shenzhen Ltd.

[写真]富士施楽高科技(深セン)有限公司 前董事長および総経理 稲垣政昭

富士施楽高科技(深セン)有限公司
前董事長および総経理
稲垣政昭

当社は、世界のお客さまに信頼される“生産会社のチャンピオン企業”づくりを目指し、2008年を起点とした第三次構造改革活動に着手し、三カ年計画を策定しました。富士ゼロックスのDNAを受け継ぎ“やさしい、おもしろい、強い”の3つの要素がバランス良く拡大していく良い会社づくりの観点では、重点施策としてCSR経営強化活動を展開しています。従来のCSR活動拡大展開に併せ、国家環境保護総局および深セン環境保護局と連携した環境改善、環境意識向上活動の継続展開、地域NPOと提携した労働衛生面の活動強化、昨年から展開を始めたCSR調達活動の輪を広げる活動を進めます。


会社データ

[写真]富士施楽高科技(深セン)有限公司/Fuji Xerox of Shenzhen Ltd.

創立 1995年6月(1996年5月生産開始)
資本金 3,800万USドル
住所 深セン市宝安区
概要 プリンター、複写機、複合機、CRU、関連部品の開発、生産、販売


現地調査担当者のコメント

[写真]

富士ゼロックスの生産基地として生産高が2000年度比10倍以上、従業員が4倍以上と急激な発展をしている。
若年労働者(16~20歳)の育成が大きな課題となり、技能研修の他に、社員支援システム(社会人教育、心理ホットライン、産業医の常駐など)の導入、ボランティア活動の企画推進、福利厚生の拡充など多岐にわたる施策を実施し、従業員の活性化を図っている。

また、コミュニケーションを重視してトップメッセージや各部門の仕事内容・目標、作業手順や事例などの「見える化」を徹底的に行い、従業員の意識向上につなげている。調達については、「サプライヤーエンゲージメント」と命名したCSR調達活動に取り組み始め、取引先への説明会やセルフアセスに基づく改善要求の伝達、診断員による訪問診断実施段階まで、その先行的ステップを進めている。

富士施楽愛科製造(蘇州)有限公司/Fuji Xerox Eco-Manufacturing(Suzhou)Co., Ltd.

[写真]富士施楽愛科製造(蘇州)有限公司 総経理 大竹雄二

富士施楽愛科製造(蘇州)有限公司
総経理
大竹雄二

わたしたちは、持続可能な社会の実現、中国の環境保全・環境リスクの防止に貢献すべく、中国での廃棄ゼロシステムの構築を目指しています。中国社会の一員として、企業が果たすべき社会的責任のモデルケースとなるよう、「コミュニケーション」「チームワーク」「スピード」をキーワードに全社員一丸となって、資源循環リサイクル活動を実践推進し、中国における新しいリサイクル事業の発信基地としての役割を果たしていきます。


会社データ

[写真]富士施楽愛科製造(蘇州)有限公司/Fuji Xerox Eco-Manufacturing(Suzhou)Co., Ltd.

創立 2006年12月(2008年2月稼動開始)
資本金 609百万円
住所 蘇州市蘇州工業園区望江路
概要 中国全土から自主回収した使用済み複写機、印字用消耗品の再資源化および再利用


現地調査担当者のコメント

[写真]

2008年1月、富士ゼロックスの資源循環システムが日本、タイに続き、この工場の稼働によって中国で開始された。これにより富士ゼロックスのすべての担当地域で使用済み商品の再資源化、再利用化が統一基準で行われる体制が整った。この事業の成功は使用済み商品の確実な回収に掛かっているため、お客さまからの使用済み商品回収率の向上に努めつつ、中国での販売を担う富士ゼロックスチャイナや物流事業者への啓発や連携に力を入れている。一方、サイトでは国際規格(ISO14001/ISO9000s)の2008年度内での認証取得を目指し、システムを構築している。また、日本から専門家を招聘して化学物質管理のアセスを行い、作業環境の整備にも取り組んでいる。

関連情報

クォリティ オブ ライフ向上のために。わたしたちの企業理念をご紹介します。

公正な企業活動を営むための5つの原則。

グループ全体で、製品・サービス・企業活動における高い「環境品質」を目指しています。



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