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ヘルスケア事業の取り組み

 

医薬品事業への本格参入から2年を経て、富士フイルムグループは総合ヘルスケアカンパニーとして飛躍しようとしています。

※このページはサステナビリティレポート2011の記事内容です。

深化するグループの連携によって新たな価値を創生

医薬品事業への本格参入から2年を経て、富士フイルムグループは総合ヘルスケアカンパニーとして 飛躍しようとしています。
富士フイルム、富山化学工業、富士フイルムRIファーマ、そして富士フイルムファーマといったグループ企業間の連携をさらに深め、先進・独自技術を追求していきます。

「総合ヘルスケアカンパニー」船出の1年

富士フイルムグループは、2008年に富山化学工業をグループに迎え入れ、医薬品事業に本格参入しました。2010年度は、「総合ヘルスケアカンパニー」として加速を始めるための、ダイナミックな変革の一年であったといえます。2010年6月には、医薬品事業全体を統括する医薬品事業部が誕生。また、医薬品研究所とライフサイエンス研究所を統合し、医薬品・ヘルスケア研究所が発足しました。付加価値の高いジェネリック医薬品の開発・販売を手がける富士フイルムファーマの事業開始、再生医療のパイオニアであるジャパン・ティッシュ・エンジニアリングとの資本提携など、垣根を越えた医薬品事業の体制づくりが進行しました。

医薬品事業部の役割と体制

特長ある医薬品事業展開のために

総合ヘルスケアカンパニーとして一層の飛躍を図るために2010年6月に誕生した医薬品事業部は、2つの役割を持っています。それは富士フイルムの医薬品事業の拡大と医薬品グループ会社の一体運営です。
医薬品事業の拡大のために、海外事業展開の推進、M&Aやライセンス戦略の立案実行、グループ間の研究開発の機能の強化といった、富士フイルムグループの医薬品事業の基本戦略を立て、そして事業ドメインの設定と新しいビジネスモデルを構築しています。

次に、医薬品グループ会社の一体運営のために、事業計画や研究・生産の管理、薬事や品質保証体制の管理を通じ、本社機能としてのグループ一体運営体制の構築を行っていきます。富士フイルムグループの一体感の醸成、全体最適といった考え方に基づき、「R&D委員会」「生産体制委員会」「ライセンス委員会」「薬事委員会」「医薬品グループ会社連絡会」といった各種委員会や連絡会を設置しています。

富士フイルムの技術リソースと関連会社の特性を活かし、グループ総力を結集し特長ある医薬品事業を展開していきます。

富士フイルム医薬品事業部と各グループ会社

富士フイルムグループの研究開発体制

医薬品事業部の目指す姿

写真フィルム技術と医療の親和性

[写真]富士フイルム 取締役・常務執行役員 医薬品事業部長 富士フイルム ホールディングス株式会社 取締役 戸田 雄三

富士フイルム
取締役・常務執行役員
医薬品事業部長
富士フイルム ホールディングス株式会社
取締役
戸田 雄三

新規事業の立ち上げには「やれそう」「やるべき」「やりたい」の三条件が必要ですが、私たちが大きく舵を切った理由はまさにこの三つがそろったからといえます。
「やれそう」は、企業体の潜在力です。富士フイルムは創業間もない1936年より、レントゲン写真のフィルムを通じて医療と関わってまいりました。現在は医療用画像情報ネットワークシステムを提供し、国内トップシェアを誇るなど、医療現場との太いパイプがあります。

また、写真技術と製薬技術には、ファインケミカル(*)という点で親和性があります。私たちは写真フィルム事業などを通じて生み出してきた独特の化合物ライブラリーを有しており、その総数は20万種を数えます。その中には、抗腫瘍性を持つ色素など、医薬品としてのポテンシャルをもつものが少なからず存在します。また、皮膚や軟骨、靭帯などの主成分であるコラーゲンはフィルムの基材であり、コラーゲンの作成技術は再生医療への応用が期待できます。高度な乳化・分散を可能にする独特のナノテクノロジーは、化合物を適切な形で目的の部位へ、適切な量・タイミングで届けるFTD( Formulation Targeting Delivery)技術に応用が可能です。厚さ約18ミクロンのフィルムには、100種もの化合物が使われており、その複雑な相互作用により、はじめて商品として機能します。写真フィルムに蓄積された膨大な技術は、まさに宝の山です。この技術を過去の遺産とせず、親和性の高い医療分野に役立てることは、私たちの使命といえるかもしれません。

「やるべき」は、いいかえれば市場性です。高齢化が進む中、医療費の増大が社会問題となり、医療に対するニーズや健康観も大きく変化しつつあります。これからは、医療を「予防・診断・治療」の大きな枠組の中で考えていく必要があり、富士フイルムグループはそのいずれにも貢献する技術をもっています。年々、新薬の開発数が減少の一途を辿っている今こそ、技術ポテンシャルを持ちながら異業種であるという、私たちのようなプレーヤーが求められているのではないかといった思いがありましたが、外部から新規参入へのエールをいただくたび、それを強くしました。

「やりたい」はすなわち使命感と情熱です。独創的な技術で、医療を変革していこう—医薬品事業部には今、そんな気概があふれています。

* ファインケミカル…素材を加工して付加価値を付けた精密化学品

「やれそう」「やるべき」「やりたい」の相関

[図]「やれそう」「やるべき」「やりたい」の相関

富士フイルムグループが提供するインフルエンザ治療に関する解決策

[図]富士フイルムグループが提供するインフルエンザ治療に関する解決策

一流どうしの人材交流により「オンリーワン」の医薬品を

「総合ヘルスケアカンパニーへ」という大きな構想を抱きつつ、私たちは得意分野にフォーカスし、ビジネスの効率とスピードを上げていく必要があります。そのため、事業部では企業、部門を横断した数々のプロジェクトが進行し、すでに成果を上げています。

例えば、先進的なインフルエンザ治療システムの開発。これは、富山化学工業が開発したウイルスの増殖を抑える新薬T-705と、富士フイルムの写真増幅技術の応用による高感度の診断薬を組み合わせたシステムです。その他、がん、中枢神経疾患、炎症などの先進治療、FTD技術を付加して機能を高めたジェネリック薬の研究開発が、医薬品・ヘルスケア研究所を中心とし、活発に行われています。

一方、薬事法の異なる海外で治験を行い、今後広く海外市場に展開するため、海外拠点の整備を積極的に進めています。

誕生したばかりの医薬品事業部が力強く動き始めた背景には、グループ内の活発な人材交流があります。例えば富山化学工業は、素材の新薬への可能性を判断する優れた「目利き」の面を持ち、発売までの最短距離を見極めるシャープな研究者集団であり、数々の独創性あふれる新薬を生み出してきました。富士フイルムファーマには、製薬業界を知り尽くし、かつチャレンジ精神あふれる人材が集まっており、開発・販売のプロといえます。各々が質の違う一流どうしであり、切磋琢磨し合うことで新たなシナジー効果が生まれます。オンリーワンの新薬開発に向け、まさに最強の布陣ができたと自負しています。

私たちは、異業種であるからこそ、既存の製薬企業にはない独創的な視点で医薬品の研究開発に努め、人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に貢献してまいります。

VOICE

ケアの時代に必要とされる価値創造を

[写真]医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニック 一般社団法人 高齢先進国モデル構想会議 理事長 医学博士 武藤 真祐 氏

医療法人社団鉄祐会
祐ホームクリニック
一般社団法人
高齢先進国モデル構想会議
理事長 医学博士
武藤 真祐 氏

医薬品事業への本格参入を果たした富士フイルムグループですが、今後、社会の構造変化により、これまでにはなかった医薬品のニーズが出てくると考えています。そのような社会背景のなか、写真フィルム技術をもとにした、化合物ライブラリー、クォリティ オブ ライフの向上に貢献するコラーゲンに関するノウハウ、そして効果的な投薬、既存の薬の改良が可能になるであろうFTD技術といった、3つの強みが富士フイルムグループにはあります。これらの強みを軸にして、国内外において新しいマーケットをぜひ切り開いていただきたいと考えます。また、画像技術と創薬技術を融合、つまり薬の効果の見える化というイノベーションをもって、社会課題の解決に寄与することを期待しています。

富士フイルムファーマの取り組み

新たなる価値創造を目指して

[写真]富士フイルムファーマ 製品統括部長(取材当時)※2011年7月1日付 富士フイルム 医薬品事業部 担当課長 村上 秀樹

富士フイルムファーマ
製品統括部長(取材当時)
※2011年7月1日付
富士フイルム
医薬品事業部 担当課長
村上 秀樹

富士フイルムファーマは、主に医薬品事業の開発・販売を担う会社として、2010年4月にスタートしました。170品目を超えるジェネリック医薬品の販売を皮切りに、11月には自社ブランドのジェネリック医薬品5品目を販売し、取引顧客数は10,000を超えました。富士フイルムブランドへの市場の信頼感は絶大なものがあると実感しています。

富士フイルムでは「一度きりのシャッターチャンスを逃さない」という精神で、自主基準による厳しい品質管理を行ってきました。自らを律して高品質を実現する文化は医薬品事業にも引き継がれ、富士フイルムファーマでは「原材料」「製造工程」「情報」といった3つの品質に重点を置いて品質保証に取り組んでいます。

私たちがジェネリック医薬品に目をつけた理由は、富士フイルムの先端技術のうち医薬品に適用できるFTD技術により、付加価値の高い医薬品を開発しようと考えたからです。現在、富士フイルムの医薬品・ヘルスケア研究所と協働で、従来の医薬品より品質や有効性を向上させた新製品の開発に向け取り組んでいます。

近年、画期的な新薬が世に出にくくなっており、医薬品業界では閉塞感が広がっています。そんな中、富士フイルムファーマには、「何か新しいことが始まるのではないか」という期待を持った様々な人材が集結してきています。今までの常識にとらわれない「まっさら」な会社風土に、多様なメンバーの知恵を集結することで、新たな価値が生まれるのではないでしょうか。

富士フイルムファーマは、将来的にはジェネリック薬から新薬まで手がける総合医薬品会社を目指します。

※このページはサステナビリティレポート2011の記事内容です。



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