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光学デバイス事業での取り組み:取り組み内容のご紹介

 

20年を超える宇宙用レンズの経験を基礎に
「かぐや」とともに月へも飛ぶフジノンレンズ

[写真]海洋観測衛星「もも1号」(MOS-1)

海洋観測衛星「もも1号」(MOS-1)

[写真]月周回衛星「かぐや」(SELENE)

月周回衛星「かぐや」(SELENE)

[写真]温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)

温室効果ガス観測技術衛星
「いぶき」(GOSAT)


宇宙の厳しい環境にさらされても絶対に故障しないレンズをつくる

困難な課題に挑戦し技術力を高める。それはフジノンレンズの一つの開発姿勢であり、宇宙という極限環境へも20年以上前からレンズを送り続けています。

フジノンレンズが初めて宇宙に旅立ったのは、1987年の海洋観測衛星「もも1号」。打ち上げ時の激しい衝撃・振動や宇宙空間ならではの真空、無重力、温度変化、放射線など、人工衛星に搭載されたレンズが実際にさらされる環境の厳しさは未知の領域で、それを乗り越え故障の許されない絶対の信頼性と軽量化を実現するために、開発者たちは手探りで試行錯誤を繰り返しました。そうして送り出されたレンズは海洋資源などを観測するセンサーの“目”として役割を果たし、基礎技術を確立するとともにフジノンレンズへの信頼を高めました。続いて1992年の地球資源衛星「ふよう1号」では、地表を立体視する高精細レンズの開発に成功しました。以降もニーズに応えたレンズを提供し、様々なプロジェクトに参加しています。

月の秘密を解明するため「かぐや」に載った3種類のレンズ

[写真]フジノンレンズを搭載した地形カメラとマルチバンドイメージャー © JAXA

フジノンレンズを搭載した地形カメラとマルチバンドイメージャー © JAXA

[写真]地形カメラの観測データから立体化された月の地形

地形カメラの観測データから立体化された月の地形

2007年、月の起源と進化の解明を目指して月へ向かい周回軌道に乗った「かぐや」。この衛星にも3種類、計6本のフジノンレンズが搭載されています。まず一つが月面を立体撮影し詳細な地形図を作るためのデータを集める地形カメラ用レンズ2本。もう一つが可視・近赤外線の特定の光による撮影を行って地質情報を集め岩石の分布を調べるマルチバンドイメージャー用レンズ2本。そして月面や月から見た地球の姿などを鮮明に撮すハイビジョンカメラ用レンズ2本。これらは皆、20年を超える歴史の中で富士フイルムグループが蓄積してきた宇宙用レンズ技術の集積であり、アポロ計画以来となる本格的な月探査の一翼を担いました。

そしてまた、2009年1月に打ち上げられた「いぶき」にもフジノンレンズが搭載されています。「いぶき」には、今、地球の大きな課題となっている温室効果ガスを測定し研究に役立てるという重要な使命があり、700km近くの上空から貴重なデータを集めています。


VOICE

常に感じる、重い責任と大きなやりがい

[写真]フジノン 光学機器部 設計課 担当課長 黒瀬 実

フジノン 光学機器部 設計課
担当課長 黒瀬 実

あれほど巨大なロケットも最終的には衛星を打ち上げるためにあり、その衛星もレンズの故障でデータを集めることができなければ無意味なものになってしまう。そう考え、常により重い責任を感じながらレンズ設計にあたってきました。その一方、衛星から送られる貴重なデータは社会の進歩に必ず役立つものであり、技術者として大きなやりがいを感じています。

レンズ技術でテレビの進化に貢献
世界初のハイビジョン用レンズも開発

[写真]レンズ技術でテレビの進化に貢献 世界初のハイビジョン用レンズも開発

先進的な製品開発力で放送業界に「フジノン」ブランドを確立

[写真]初期のモノクロ映像用テレビレンズ搭載機

初期のモノクロ映像用テレビレンズ搭載機

1953年にモノクロ放送でスタートしたテレビ放送は、1959年の皇太子(現天皇)ご成婚を機に急速な普及を遂げ、翌1960年にはカラー放送も始まりました。そして、日本のあらゆる放送関係者が2年後に迫った東京オリンピックのカラー中継に向け技術開発に取り組んでいた1962年に、富士フイルムグループもカラー放送用テレビカメラ用レンズの開発に着手。わずかな期間で4機種の高性能レンズを完成させ、世界で初めてのカラーによるオリンピック中継の成功に貢献しました。

その後も、大口径の10倍、14倍、22倍ズームと次々に先進的な製品を開発。ニュース取材などで使われる小型・軽量なカメラ用でもこのジャンルの基本となるレンズ形態を生み出し、放送業界に確固たるブランドとして浸透することとなりました。

高精細なハイビジョン放送のために画期的なオートフォーカスも開発

[写真]テレビ撮影に使用されているフジノンのレンズ

テレビ撮影に使用されているフジノンのレンズ

カラー放送や衛星放送のスタートなど、テレビ放送にはこれまで幾度かの変化がありました。そして今、最大の転機となっているのが地上波のデジタル放送への移行です。デジタル化に伴い、大画面でより美しい放送を楽しめるハイビジョン(以下、HD)放送も本格的に始まることとなりましたが、HD技術の確立でもフジノンレンズは様々な貢献を果たしてきました。1979年にはNHK技術研究所からの要請を受け、世界初となるHDカメラ用レンズを開発。その後1988年のソウルオリンピックで、17日間連続してHD映像による実験中継が行われた際にもレンズを供給しています。さらにより小型・軽量なものや、高精細な画面ゆえにプロカメラマンの技術でも至難と言われる微妙なピントのズレをカバーする画期的なオートフォーカス機構「プレシジョン・フォーカス(PF)」レンズなどを開発・供給し、国内外の多くの放送局で使われています。 放送技術の世界はすでに、HDの次のスーパーHDや立体映像へと技術開発が進み始めました。フジノンレンズにはこうした次世代の技術でも重要な役割が期待されています。


VOICE

プロカメラマンの厳しい要望が技術を磨く

[写真]フジノン テレビレンズ部 設計課 担当課長 田中 実(左)、担当課長 佐々木 正(右)

フジノン テレビレンズ部 設計課
担当課長 田中 実(左)
担当課長 佐々木 正(右)

ハイビジョン用レンズは、すべてにおいて段階に高い精度が求められます。それが実現できたのは、設計からレンズ・部品の加工、組み立てまで一貫して社内で手がけていることと、「現代の名工」と呼ばれる優れた技術者がいるからに他なりません。また、プロのカメラマンの方たちの厳しい要望に応えることで、我々の技術も鍛えられてきたと感じています。

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