新たなトレンドへの対応:生物多様性
生物多様性の保全
富士フイルムグループは、「生物多様性の保全」を気候変動と並ぶ、重要なCSR課題として位置づけ、具体的な施策立案に向け、グループ内や社外の意見を取り入れながら、取り組んでいます。
方針の明確化と取り組みの具体化に向けて
「生物多様性の保全」は、富士フイルムグループの中期CSR計画の重点課題のひとつです。2005年から、ステークホルダー・ダイアログのテーマに取り上げ、継続して議論を重ねてきました。その結果、富士フイルムグループの製品・サービスには、多くの天然資源を活用していることから、生物多様性の保全に真剣に向き合うことは、富士フイルムグループの責任であると再認識しました。わたしたちは、この取り組みの具体化に向けて、生物多様性の保全と自分たちとの関わりについて、『自己認識』することから始め、ステークホルダーの意見を真摯に聞きながら、社会の要請とわたしたちができることを明確に把握し、一つひとつステップを踏みながら、着実に取り組んでいきます。
![[図]方針の明確化と取り組みの具体化に向けて](pack/images/creature_img_01.gif)
Step1 アンケートについて
「生物多様性」に関して、「認知度」「関わり」「影響」「社会との連携」について把握するため、「生物多様性の保全アンケート」を実施しました。富士フイルムや富士ゼロックスの事業組織や関連会社など、25組織に依頼し、22組織から回答がありました。回答の結果から、「生物多様性」という言葉を約半数が認知していると分かりましたが、身の回りの生物の生息環境については、9割が知らないという回答でした。また、生物多様性と事業活動との関係については、資材調達時での関連性も理解していました。現段階で実施された施策は、社内ボランティア活動が中心となっており、生物多様性を正面に見据えたNPO/NGOとの連携は見られませんでした。これらの結果を踏まえ、今後の取り組みに生かしていきます。
Step2 ステークホルダー・ダイアログについて
「生物多様性の保全」をテーマとした2008年のダイアログは、「将来世代との対話」「有識者との対話」と、2回に分けて実施しました。特に、「将来世代との対話」は、富士フイルムグループにとって初の試みです。「生物多様性の保全」は、世代を超えた問題であるため、大人世代と将来世代との連携は、実に大切なことです。
ダイアログは、大人世代と将来世代が対等な立場で、世代間連携を実現するため、その端緒を探り、また、大人世代と将来世代との対話のあり方について、方法論を探ることも目的に開催しました。今後も継続的に、将来世代や有識者とのダイアログを開催していきます。
Step3 社内啓発について
「生物多様性」問題に関する認知度向上のために、富士フイルムと富士ゼロックスが連携し、両社の社内報やイントラネットを利用して、「生物多様性」に関する特集記事を掲載するなど、基礎知識の習得、現状の問題や課題に対する認識の向上に努めています。
- 生物多様性って何だ!?(社内報「We’ll」2009年 Spring号)
(PDF:1.1MB)
富士フイルムホールディングスは、「生物多様性の保全」に関するグループ共通の取組方針を明確化し、具体的施策の展開を支えるため、基本認識と行動指針から成る、富士フイルムグループ「生物多様性方針」(略称)を2009年6月1日に制定しました。
富士フイルムグループ「生物多様性の保全に関する基本認識と行動指針」
«Fujifilm Group Guidelines for Biodiversity»
【基本認識】
わたしたちは、持続可能な社会の実現のために、現在直面している重大な問題に真摯に向き合い、将来世代に大きな負債を残さぬ責任があります。
地球温暖化に代表される「気候変動」問題と、生態系の破壊や生物種の絶滅等に伴う「生物多様性」の危機的速度による消滅は、わたしたちが直面している重大な問題です。
「生物多様性」は、食料をはじめ医薬品やエネルギー、災害の軽減などをはじめ、固有の文化・芸術の礎となるなど、わたしたちのいのちと暮らしを支えています。
わたしたち富士フイルムグループは、自らの事業活動においても、「生物多様性」と無関係ではあり得ません。それゆえ、わたしたちには、「生物多様性」への影響を回避しまたは最小化すべく「生物多様性」の保全と持続可能な利用に取り組む責任があります。取り組みにあたっては、わたしたちが国際的な相互依存関係の中にあることに留意し、常に国際的視野に立ちつつ、なすべきことへとつなげていくことが重要です。
【行動のための指針】
- 生物多様性を壊さないために
「生物多様性」は、いのちのつながりです。事業活動に際しては、この「つながり」への影響を回避または最小化するとともに、「つながり」の断絶に関与しないよう最大限の配慮をします。
- 生物多様性を守るために
事業活動に際しては、自然環境の健全性と多様性を維持することを心がけ、地域における自然的社会的条件に応じた環境保全への配慮をします。
- 生物多様性を活かすために
事業活動において生物資源を利用する際は、「生物多様性」が将来にわたり維持されるよう、長期的視点に立った持続可能な利用方法の採用に努めます。
- 国際的視野での対応のために
事業活動に際しては、国内外のバリューチェーンの枠組みにおいて、「生物多様性」への影響を把握し、負荷の低減に努めます。
- 社会的要請に応えるために
「生物多様性」に関する国際的取決めや法令を順守し、「生物多様性」に関わる公的機関やNPO/NGO、他企業などとの連携と協調を大切にします。
- 情報を共有するために
「生物多様性」に関する自らの取り組みを積極的に情報開示します。また、取り組みの質と効率を上げるため、生物多様性に関する従業員啓発に努めます。
平成21年6月1日制定
富士フイルムホールディングス株式会社
CSR委員会
今後に向けて
生物多様性の保全は、その意味や重要性を認識することが大切です。今後、わたしたちの行動や施策につなげるために、「生物多様性の保全」についての社内啓発を図るとともに、できることから実践していきます。


