新たなトレンドへの対応:人的多様性
「新・長期経営計画」の目標達成のために、引き続き人材の強化・育成を推進
経営環境が大きく変わり続ける中、富士フイルムグループは新・長期経営計画の中で人材の強化・育成を基本戦略に位置づけています。
「意識変革・個の強化・風土改革」と「人材育成」の2点に注力
「新・長期経営計画」で重要な戦略的位置づけとなった人材の強化・育成では、「意識変革・個の強化・風土改革」および「人材の育成」の2点が、特に注力すべきテーマとなっています。この観点から、富士フイルムホールディングスでは、持ち株会社体制によるグループ経営の強みを生かし、各事業会社に共通の課題解決や相互の交流・連携を効果的に促進するため、推進役として大きな役割を果たしていきます。
2つのテーマのうち「意識変革・個の強化・風土改革」についてはグループ一丸となって謙虚に顧客・市場と向き合い、チャレンジャーとしての意識変革と実力を身につけていくことを狙いとしています。その一環として、富士フイルム/富士ゼロックス合同の研修を2008年度からスタートさせ、ミドル層を集めた「FF/FXシナジー研修」を7回、シニアマネジメント層による「リーダー合宿」を8回にわたって実施しました。これらの研修からは、互いの会社に対する“先入観の壁” や事業についての“認識の壁”、さらにシナジーの発揮に障害となる “行動の壁” があることが見えてきました。しかしまた、今回の研修がこうした壁を乗り越える大きなきっかけになることも確認することもでき、2009年以降も同様の研修を継続していきます。
一方「基幹人材の育成」については、今後の富士フイルムグループの中核を担う基幹人材をより効果的に育成し、富士フイルム/富士ゼロックスの経営強化に結びつけるため、両会社間での人材交流を活発化させます。また、グループ全社の海外関連の事業・拠点を俯瞰した人材交流を行うことで、「グローバル人材の育成」も加速させます。
Message
グループシナジー価値への「思い」
![[写真]富士フイルムホールディングス 取締役 執行役員 兼 富士ゼロックス 代表取締役 専務執行役員 岡村 信興](pack/images/human_img_06.jpg)
富士フイルムホールディングス
取締役 執行役員 兼
富士ゼロックス
代表取締役 専務執行役員
岡村 信興
私は、5年前まで富士フイルムに在籍し、富士フイルムで情報システム(マイクロシステム等)・印刷システムの仕事に携わっていた頃から富士ゼロックスと接する機会が多く、グループとしての共通性や各々の企業文化の違いの両面を実感してきました。しかし両社とも“画像と情報”を事業の核としている点は同じで、融合を進めシナジーを発揮することで大きな可能性が広がると常々思っていました。そして今、さらにグループとして結びつきが強まり、デジタル化の時代を迎えてそれぞれに展開してきた“画像と情報・コミュニケーション”のフィールド自体も重ね合わさる部分が広がってきました。各事業会社それぞれ、社員一人ひとりが“個”の力を高めることが基礎になるのは間違いありません。その上で、両社が互いの強みを学び、協働し、シナジーを発揮することで、富士フイルムグループはどこにも当り負けのしない競争力を得ることができると確信しています。
- 人材の育成と活躍に向けて(富士フイルム)

- 従業員とのかかわり(富士ゼロックス)

グループ内の融合を進めるシナジー研修
![[写真]第3回研修参加メンバー](pack/images/human_img_01.jpg)
第3回研修参加メンバー
![[写真]第4回研修参加メンバー](pack/images/human_img_02.jpg)
第4回研修参加メンバー
![[写真]研修は4つのグループにわかれて行われた](pack/images/human_img_03.jpg)
研修は4つのグループにわかれて行われた
富士フイルムグループは2008年2月から翌年2月まで7回にわたり、グループの中核企業である富士フイルムと富士ゼロックス両社より課長・リーダークラス(ミドル層)の社員を集めた人材交流研修を実施しました。
この研修の狙いは「互いの企業風土や文化、価値観の違いや共通点を深く知り、認め合い、話し合える土壌づくりを行う」とともに「グループの視点から取り組むべき具体的なテーマを探る」ことで、各回とも営業・研究・開発・本社スタッフなどさまざまな部門から両社それぞれ12名ずつが参加。1泊2日を含む計4日間のプログラムは3つのステップにわかれ、ステップ1では「グループ意識の醸成・共有」、2では「グループとして目指す方向性や課題の共有、テーマの具体化」、3では「具体的テーマと行動の提言」を目的とし、ステップ3の提言のためにまとめられた計28の“グループシナジーを促進するための提言”レポートが研修の成果として富士フイルムホールディングスに提出されました。なお、提出された提言レポートは、冊子にまとめられ、研修参加者に配布して、提言内容を共有しています。
VOICE
提言に込められた「思い」に研修の確かな手応え
![[写真]富士フイルムホールディングス 人事部 担当部長 小早川 伊和夫](pack/images/human_img_07.jpg)
富士フイルムホールディングス
人事部 担当部長
小早川 伊和夫
人材交流研修の最後に各チームから出された提言には、メンバー一人ひとりの「思い」が予想以上に結実していて、グループシナジー実現へ向けた良いきっかけになったと感じました。この研修は2009年度も継続開催を予定しており、さらに幅広い人材ネットワークの形成と、グループの人材強化に結びつけたいと考えています。
意識変革を促すリーダー合宿
![[写真]執行役員合宿](pack/images/human_img_04.jpg)
執行役員合宿
![[写真]リーダー合宿](pack/images/human_img_05.jpg)
リーダー合宿
経営環境が急激に変化する中にあって、今後の成長戦略をどう描くのか。富士フイルムグループではそれを示す新・長期経営計画の策定に取り組むため、計画実行に移る前にまず、厳しさを増す環境に即した全社員の「意識変革」「個の強化」「風土改革」を行わなければなりません。そうした認識のもと、2008年8月から12月までの期間に、計8回にわたり、富士フイルムと富士ゼロックスの部門長・部長・グループ長240名を集めた「リーダー合宿」を実施しました。
この合宿で中心となったのは、変革を担うリーダー(シニアマネジメント層)が組織の壁を越え、それぞれが率いる職場の状況や乗り越えなければならない壁などについて語り合い、その中から変革を推進するために会社として取り組むべきことを抽出。さらに、変革を進める上で自分が果たす役割を参加者一人ひとりが「変革宣言」として表明しました。
合宿を終え、より強い危機意識と変革への強固な意志を持った参加者たちは、それぞれの職場に戻り自ら行動するのはもちろん、合宿で得たものを職場の周囲のメンバーへ広げる「伝道師」の役割も果たし、変革の意識を広げています。
VOICE
変革加速への深い思いと一体感が醸成
![[写真]富士フイルムホールディングス 人事部 担当部長 吹野 清隆](pack/images/human_img_08.jpg)
富士フイルムホールディングス
人事部 担当部長
吹野 清隆
変革リーダー合宿を通して、参加者の危機意識や変革加速への思いが深まって、参加者同士のつながりや一体感が醸成されました。合宿後も、参加者は率先して集まり、課題に対して進捗を互いに確認するなど、自主的に活動しています。今後はこうした活動をさらに加速すべく、さまざまな場を設けていこうと考えています。
TOPIC 従業員の「人としての成長」を支援する富士ゼロックス深センの人材開発の取り組み
富士ゼロックスの生産子会社である富士ゼロックス深センでは、従来の職能教育とあわせ、従業員の成長やキャリア開発、メンタル面での健康の維持促進を目的に、独自に開発した「Employees Assistance Program(EAP)」を展開しています。
若年層の従業員のストレスや不安の解消が発端
![[写真]深センでの教育プログラムの場面](pack/images/human_img_09.jpg)
深センでの教育プログラムの場面
富士施楽高科技(深セン)有限公司(以下、富士ゼロックス深セン)では、中国・華南地区で多く見られるように、学校卒業後すぐ都市に働きに出てきた地方出身の10代の若者が工場のラインで働いています。2006年に始まったEAPは、従業員の生活や仕事におけるストレスの状況を調査した結果、多くが上司や同僚とのコミュニケーションに悩んでいる、また、さまざまな不安や不満を相談する相手がおらず一人で抱え込んでいるなどの問題点が明らかになったため、その対策として実施されました。
3年間で50課程に約9,600人以上参加
プログラムの内容は、「コミュニケーションと人間関係」や「ストレスの管理」、「心の健康と自己管理」、「チームワーク意識と観念」など、主にメンタル面でのケアを対象とするものが多くなっています。これらは、中国・華南地区に共通する課題であると言われ、富士ゼロックス深センは、これらの問題解決に知見のある現地NPOの深セン当代社会観察研究所(ICO)、心理健康専門機構の協力を得てこれらのプログラムを展開しています。「コミュニケーションと人間関係」は必須受講項目として、すべての従業員が受講しました。また、選択科目として、「友情と愛情、情緒の管理」や「キャリアプランの計画」、「理財の基礎知識」など、従業員の要望に幅広く応えた講義を用意しています。
また、工場の組長クラスには、業務的なマネジメント教育に加え、EAPでどう部下をまとめていくかなどの心理的な教育も行い、公私両面におけるコミュニケーションの円滑化や個人のキャリア形成を支援しています。
心理ホットラインや対面カウンセリングの開設で、従業員満足度の向上を図る
![[写真]富士施楽高科技(深セン)有限公司 総経理 岡地 俊彦](pack/images/human_img_10.jpg)
富士施楽高科技(深セン)有限公司
総経理
岡地 俊彦
また、心理健康専門機構と協力して、「心理ホットライン」や「対面カウンセリング」を開設しました。就労時間外に誰でも自由に、内容にかかわらず、電話や対面での相談を受けることができ、相談相手がいないという若い従業員の心理面や健康面の悩みに応える多くの仕組みを用意しています。
若い従業員の、社会人としてだけではなく、人としての成長を応援することで、従業員個人のやりがいを見出し、成長を実感し、さらには心理的な健康につながります。そして、それが従業員の仕事や会社に対する満足度の向上につながると信じ、富士ゼロックス深センでは今後もこの活動を続けていきます。
2006~2008年度に実施した研修リスト(抜粋)
| 研修項目 | 参加者数 |
|---|---|
| キャリアプランとワークライフ・バランス | 209 |
| 職場のマナー | 204 |
| 愛情・友情・性 | 218 |
| 生産性の高い従業員の良い習慣 | 100 |
| 生産性の高いチームをつくる(*1) | 69 |
| ストレス管理 | 104 |
| 正確に社会の不良現象を見る(*1) | 33 |
| ライン組織における組長の役割(*1) | 44 |
| 仕事と生活のバランス | 20 |
| 情緒管理 | 56 |
*1 組長向けの教育


