CSR計画

計画立案の背景

6分野・15重点課題の位置づけ

SVP2016では、「事業を通じた社会課題の解決」(機会)と「事業プロセスにおける環境・社会への配慮」(リスク)を分けて重点課題を設定しましたが、SVP2030では、「環境」「健康」「生活」「働き方」の各分野の中でその両面の影響を考慮しています。例えば「環境」の「1.気候変動への対応」では、当社グループの事業活動によるCO2排出量の削減とともに、環境性能に優れた製品・サービスを開発・普及させることで社会でのCO2排出量を削減するとして、機会とリスクの両面からの目標を掲げています。

さらに、グローバルに事業を推進していく上で、サプライチェーン全体にわたる環境・倫理・人権などのCSR基盤強化に加え、オープン、フェア、クリアな企業風土のさらなる浸透を目指すガバナンス強化を盛り込み、企業活動全体で取り組む6分野・15重点課題を設定しました。

これら重点分野のうち「環境」分野では、2030年度までに達成する数値目標を設定し、自社製品のライフサイクル全体での排出削減と自社製品・サービスの普及による社会でのCO2排出削減への貢献に取り組んでいます。

SVP2030 重点分野/重点課題(マテリアリティ)
[図]SVP2030 重点分野/重点課題(マテリアリティ)

2030年の目標達成に向けて

SVP2030で掲げている長期目標は、現在の事業活動を起点に考える従来の「インサイドアウト」の視点から一歩進めて、「社会課題」を起点に、事業のあるべき姿・製品・サービスを考えていくという「アウトサイドイン」の発想から生まれました。持続可能な社会を実現するために、どのような製品・サービスが必要で、そのためにはどのような技術が求められるのか。製品・サービス(=アウトプット*3 )の先にある富士フイルムグループの持続可能な社会への貢献(=アウトカム*4 )を形にしたのがSVP2030であり、自社グループの成長と社会課題解決をともに成し遂げることが最終的な目標です。

今後も引き続き、SVP2030の目標達成に向けて、社会の変革をリードする製品・サービス・技術開発によって新たな価値を創出することで、社会課題の解決により一層貢献すると同時に、企業価値向上を図っていきます。

  • *3 アウトプット(Output): 組織や事業の活動がもたらす製品、サービスなど
  • *4 アウトカム(Outcome): 組織や事業のアウトプットがもたらす変化、便益、学びその他効果